孫子

【孫子の兵法】形篇:4-16『善なる者は、道を修めて法を保つ』

孫子の兵法、形篇

第4章、第16節の解説です。

 

今回のタイトルは、

『善なる者は、道を修めて法を保つです。

(ぜんなるものは みちをおさめて ほうをたもつ)

 

「善なる者」とは、できるやつ。

戦闘に優れている人のこと。

 

ここでいう「道」とは、「道理」のことです。

正しい道、手順といった意味です。

 

修めるは、修得という漢字もあるように、身に着けるという意味。

また、ここでいう「法」とは、戦闘の原則のことです。

 

 

まとめると、

「優れている人は、戦闘の正しいやり方を理解していて、戦闘の原則を守っている」

という意味になります。

 

孫子は、「戦闘における勝敗の原則」として、

5つを挙げています。

 

それは何なのか?

みていきましょう。

善なる者は、道を修めて法を保つ

善なる者は、道を修めて法を保つ

「戦闘における勝敗の原則」は、次の5つです。

  1. ものさしで計算する「度(たく)」
  2. ますめで計算する「量(りょう)」
  3. 数を計算する「数(すう)」
  4. 双方を比較する「称(しょう)」
  5. 勝利を策定する「勝(しょう)」

 

これだけだと意味が分からないですよね(笑)

一つずつ説明します。

①ものさしで計算する「度(たく)」

「度(たく)」は、距離や日数を計算することです。

  • 戦場となる範囲はどこまでなのか?
  • 自分と敵の、今いる場所から、戦う場所までの距離はどれくらいか
  • ある地点からある地点までの、最短距離はどれくらいか?
  • 迂回した場合の距離はどれくらいか?

こうったものが距離ですね。

 

日数だと、

  • 戦う場所までは何日で到着するか?
  • 補給物資が戦場に届くまで何日かかるか?

といったことです。

 

こういったことを知っておくのは原則ですよ、ってことですね。

②ますめで計算する「量(りょう)」

「量(りょう)」とは、食糧やエサの量のことです。

  • 兵士が1人が1日にどれくらいの量の食事をとるか
  • 運搬させる牛は、1日にどれくらいのエサを食べるか?
  • 戦う場所へ到着するまでに、それぞれどれくらいの量になるか?

といったことですね。

③数を計算する「数(すう)」

「数(すう)」とは、計算のことです。

  • 自国にある食糧の量を考えると、最大で何人の兵士を連れていけるのか?
  • その食糧の量を考えると、兵士は何日間、戦場で行動できるか?
  • 自国にあるエサの量を考えると、最大でどれくらいの牛車を動員できるか?
  • その牛車の1台あたりに詰め込める物資の量はどれくらいか?

こういった計算のことです。

④双方を比較する「称(しょう)」

「称(しょう)」とは、比べることです。

①〜③までを使い、敵と自分を比べると、どれくらいの戦力差があるのか?

これを浮かび上がらせることです。

⑤勝利を策定する「勝(しょう)」

「勝(しょう)」とは、勝利するための基本的な作戦を決めること。

④で戦力差が分かったので、

  • 作戦可能な行動範囲
  • 戦場で戦える期間
  • 兵力の差

などを考え、どんな戦いをすれば、自軍が有利なのか?

これを決定することです。

 

 

これらが、「戦闘における勝敗の原則」です。

できる奴というのは、これをきちんとやっているよ。

ということですね。

 

戦争って、行き当たりばったりではなく、

きちんと計算しているのだなと、改めて思いました。