孫子

【孫子の兵法】勢篇:5-18『衆を治むること寡を治むるが如く』

孫子の兵法、勢篇。

第5章、第18節の解説です。

 

今回から勢篇に入ります。

勢篇は、「軍全体の勢いで勝利すること」

について書かれています。

 

 

今回のタイトルは、

『衆を治むること寡を治むるが如くです。

(しゅうを おさむること かを おさむるが ごとく)

 

「衆」は、民衆・大衆とかの漢字に使われますね。

数が多いということです。

 

逆に「寡」は、数が少ないことです。

寡占(かせん)・多寡(たか)、という言葉で使われますね。

 

 

つまり全体では、

「大人数の兵士を、少人数の兵士を率いるかのように率いる」

という意味となります。

 

どういうことなのか?

見ていきましょう。

『衆を治むること寡を治むるが如く』

『衆を治むること寡を治むるが如く』

孫子はこの18節で、次のように言っています。

  • 大兵力を統率していながら、小兵力を統率しているかのように整然とさせる事ができるのは、部隊編成の技術にある
  • 大兵力を戦闘させながら、小兵力を戦闘させているかのように制御できるのは、旗・鐘(かね)・太鼓の合図といった、指令の伝令方法にある
  • 全軍のすべての部隊が、敵軍のあらゆる出方に対応して、決して負けないようにすることができるのは、奇法と正法の運用術にある
  • 自軍の兵力が敵のどこかを攻撃したとき、楽に敵を撃破できるのは、戦備が多いところで、戦備の少ないところをうつ戦術にある

 

今まで、ずっと孫子は『戦略』の話をしていました。

 

しかしここにきて、

  • 部隊編成の技術
  • 指令の伝令方法
  • 奇法と正法の運用術
  • 戦術

と、かなり具体的になってきました。

 

つまり、『戦術』の話をしているのです!

あの孫子が!(笑)

 

 

この18節で、孫子が何が言いたいのかというと、

 

「軍隊の兵力は、ただの数を集めればいいってものじゃないよ。

こういった技術がきちんと浸透していて、複雑な動きにも対応できるかどうかで、

同じ兵力でも、実際の戦力には大きく違いが出てくるよ」

 

ということを言いたいのです。

 

 

この勢篇では、

「今まで”戦略” “戦略”言ってたけど、やっぱり技術も大事だよね」

という、孫子のデレが見れるのかも知れません。