「ザイオンス効果」ってご存知ですか?
簡単に言えば、人は「会う回数」や「知る回数」が多ければ多いほど、その対象に好感を抱くという、心理学の用語です。
企業がCMをテレビに流すのも、この効果を狙っています。
何回も耳で聞いて、目で見るうちに、あなたの中で認知度が上がっていきます。
すると、新しい商品への警戒心がなくなり、自然と良い印象を持つようになります。
これって、コミュニケーションや恋愛にも応用できると思いませんか?
そこでこの記事では、ザイオンス効果の3つの利用法を紹介します。
「誰かに好きになってもらいたい」
「何かを好きになりたい」
と思っているあなたは、読んでみてください。
・自分のことを好きになってもらいたい人がいる
・好きになりたいものがある
ロバート・B・ザイアンスの実験
アメリカの心理学者、ロバート・ザイアンスが、次のような実験を行いました。
「特に意味のない単語」と「漢字のような象形文字」を見せる。
見せる回数は1回~25回のランダムで、それぞれの単語や文字に対する好感度は、「回数によってどのように変化するか」を調査しました。
漢字のような象形文字は、こんなのです↓
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-ROBERT B. ZAJONC、『ATTITUDINAL EFFECTS OF MERE EXPOSURE』、P16より抜粋、URL
→見せる回数が多いほど、好感度が上がる傾向にあった!
この実験から、たとえ意味がまったく分からないことに対しても、「接触回数が上がるだけで印象が良くなる」ことが分かりました。
そしてその対象は、音・絵・図形・匂いなどでも、効果が表れることが分かっています。
意味が分からなくても好きになるなんて、なんだか面白いですよね(笑)
ザイオンス効果の3つの利用法
では、このザイオンス効果は、どのように活用できるでしょうか?
次の3つに分けてみました。
- コミュニケーションで活用
- 恋愛で活用
- 好きになりたいと思うものに活用
それぞれ説明します。
1. コミュニケーションで活用
友達、仕事仲間、上司、先輩などとのコミュニケーションで活用ができます。
会っている「時間の長さ」よりも、「会う回数」を意識して接してみましょう。
あなたの好感度が自然と上がっていくはずです。
例えば、「仕事仲間と仲良くしたい!」という場合。
毎週金曜日に居酒屋で3時間一緒に飲むよりも、週に3回、30分のランチの方が良いということです。
2. 恋愛で活用
恋愛でも、「接触回数」を意識して行動してみましょう。
例えば、同じバイト先だったら、シフトをなるべく合わせてみる。
一度に長いラインをするのではなく、一言でいいから頻度を多くしてみる。
要は、マメな人がモテるということですね(笑)
ただし、これには注意点もあるのですが、それは後述します。
3. 好きになりたいと思うものに活用
例えば、新しい仕事をすることになった。
例えば、大学で新しい勉強にチャレンジする。
こんなことってありますよね。
何か新しいことを始めるときって、「その対象の中で自分の好きな部分」を見つけると、受け入れやすくなります。
楽しい部分を見つけたりですね。
もしそういうところが見つからない場合、けっこう精神的にきついと思うんです。
だから、まずはその対象を好きになるために、接触回数を増やしてみるというのは1つの手だなと思います。
その業界の新聞や雑誌を買ってみたり、メルマガに登録してみたり。
勉強なら、それを楽しく紹介しているユーチューバーのチャンネルを登録してみる。
本を買ってリビングに置いておく。
こんな感じで、接触回数を増やすだけでも、印象は良くなるはずです。
ザイオンス効果の注意点
いろんなことに応用できそうなザイオンス効果ですが、注意点があります。
実は……
ザイオンス効果で良い影響があるのは、対象との関係が「フラット」か「好印象」の場合だけなんです。
つまりですね…
印象が良くないのに接触頻度を増やすと、逆に悪い印象が強くなってしまうことが分かっています。
なかなか恐ろしいですよね。
だから、第一印象ってとても大事なんです。
あなたの相手に対する印象が悪いと、逆効果になってしまいます。
そうなってしまった場合は、あなた自身が何かしらの変化をして、相手への印象を変えなければなりません。
そして、もう一つの注意点があります。
それは、ザイオンス効果が使えるのは、10回までということです。
10回以上は、そんなに変わらないようです。
好きな相手と恋愛をしたいのなら、少なくとも最初の10回までに、恋愛対象としての意識をさせる必要がありそうですね。
まとめ
- 時間の長さよりも回数が多い方が、人は好感を抱く
- 最初から印象が悪いものに対しては逆効果
- ザイオンス効果は10回以上は効果が薄くなる

